7.賭けやギャンブルを分析する学問分野は?
賭けとギャンブルの分析は、確率・統計論だけではできない
賭けやギャンブルを分析する学問分野は何でしょうか?
多くの人は「確率・統計」を思い浮かべることと思います。確率論を専攻する研究者には、それで十分と考える方もいるようです。それ以外にどんな分野が必要なのか、と言う人までいるようです。しかし、多くのギャンブルにおける不確実性は、客観的に与えられる確率で測れるものではありません。
何人かの方は、それに加え心理学を思い浮かべることと思います。賭けで熱くなってしまう人間の心を分析すれば、いろいろなことが分かるのではないか、と。
私は、賭けやギャンブルを研究するために、たぶんもっとも重要なのはファイナンス理論(金融工学)ではないか、と思います。(ちなみに私は専門家ではありません、よく間違えられますが。)
確率論・統計論は賭けを分析するための最も重要なツールであることは間違いないのですが、ギャンブルに必要な確率・統計論は、ファイナンス理論に含まれているので、これで結構足りるのではないかと思います。また心理学にしても、ファイナンス理論が「行動ファイナンス」という心理学や行動科学を取り入れた分野が含まれていることを考慮すれば、かなりのツールがファイナンス理論と呼ばれる分野に揃っているのではないかと思います。
これに加え、ゲーム理論・実験経済学は大きな助力を成すと思います。ファイナンス理論では個人の戦略的行動を、十分に取り入れて理論が構築されているとはまだ言えす、このような行為が賭けやギャンブルの重要な部分を占めていることを考えれば、これらの分野は必要であります。
認知科学、特に認知心理学は、このような賭けに対する人間行動を分析している分野でもあります。多くの研究者がいます。他に、人数が多くなったり、ポーカーやブラックジャックの必勝法を解析したりする場合には、計算機科学の助力が必要となります。
他に、遊戯の歴史と言う点から民俗学や社会学から分析する方、ギャンブルのもたらす財政収入という点から応用ミクロ経済学や財政学の観点から研究する方もいると思います。
ギャンブルを科学することは、上記の分野から力を借りるだけではなく、上記の分野に何らかの含意をもたらすことが可能であると私は考えています。金融市場の分析や人間の不確実性における意思決定の分析では、複雑で多くの要因が絡み合っていることが多いのに対し、ギャンブルという状況は比較的単純な要因に還元することが可能です。また多くのデータが数値化して記録しやすいと言う利点もあります。
このような理由から、ギャンブルを対象とした研究は、学際的でエキサイティングな非常に大きい分野となる可能性があると私は考えています。
