賭けの科学・ギャンブルの経済学
競馬・宝くじ・スポーツくじなど,賭けやギャンブルに関して科学的に考察するための情報ページです.従来,賭けやギャンブルに関しては,確率や応用数学の分野として議論され,古くは確率の起源となったパスカルの研究まで遡ることができます.しかし,そこでの「賭けの相手」は,人間ではなく自然や機械のように客観的な確率に従う事象として,考えられてきました.賭けの相手を「人間」として考えることは,ゲーム理論を中心に,実験経済学,行動ファイナンス,心理学,認知科学のホットなトピックと言えるでしょう.
このページを作ってからしばらく経ちましたが,上記のようなファイナンス・ 経済学・行動経済学からのギャンブル研究は爆発的に増えてきたような気がします.初期のころと違い,どこまでフォローできるかかなり不安になってきました.
このページには「必勝法」を求めて来る方も多いと思います.少しは参考になることもあるかとは思いますが,あまり役には立たないでしょう.このページの中心テーマは,ギャンブルや賭けに勝つ方法ではなく,これらを通して人間行動や経済理論・ゲーム理論,確率論などを探ることにあります.
賭けの科学・ギャンブルの経済学 エッセイ
- 賭けの分類-過去の文献から
- 賭けの分類-再考
- ギャンブルに必勝法はあるか1
- 主催者・胴元は賭けをするか?(賭けの分類2)
- ナンバーズの番号を予測する!?
- 賞金額の高いナンバーズの番号
- 賭けやギャンブルを分析する学問分野は?
- ギャンブル分析の中心概念1-大数の法則
- ギャンブル分析の中心概念2-効率的市場仮説
ギャンブルや賭けを科学的に考えるための本・エッセイ
ギャンブルや賭けについて,科学的に述べた本は古今東西多くあります.私もそんなに詳しくはありませんが,特に私の興味に近いものから順番に紹介してみます.
- 本:「ツキの法則」, 谷岡一郎著, PHP新書025, 1997年. ISBN:4569557635
- 私が目指す「賭けの科学」とは,ほぼこの本の持っている方向性と同じと言って良い.単なる数学に終わらず,行動科学や社会科学的な観点から解説し,かと言って,単なるエッセイとしてお話だけに終わるのではなく,厳密な確率論や統計学を駆使してギャンブルを分析する.世界的に見ても,稀に見る名著と言って良いだろう,是非一読をお薦めしたい.巻末の参考文献も大変参考になる.
著者は,この分野の研究を専門にしており,他にも中公新書「ギャンブルフィーバー」,「カジノが日本にできるとき」などの良い著作がある. 一般向け. - 本:Hausch D. B., Lo, V.S.Y. and Ziemba, W., "Efficiency of Racetrack Betting Markets", Academic Press, 1994.
- *2008年に新版が出ています.
- 競馬に関するアカデミックな論文集である.編者らは世界的に有名なファイナンスの研究者集団で,特にW.Ziemba氏は,例えばManagement Science誌のファイナンス部門のエディタを努めるなど,金融工学の研究者なら知らないものはいない(日本に来ていたこともある日本市場の研究者でもある).競馬の賭けと効率的市場仮説の検定を中心に,数多くの論文が収められている.研究者向け.
- 本:Hausch D. B. and Ziemba W. T. 編集, "Handbook of Sports and Lottery Markets (Handbooks in Finance)," North Holland, 2008.ISBN-10: 0444507442, ISBN-13: 978-0444507440.
- 近年,出版されたハンドブックで,新しいファイナンスハンドブックの1冊.競馬の市場効率性を中心に,予測市場,サッカー,宝くじなどを扱っている.研究者向け.
- 本:「スポーツくじと宝くじの賭けの市場の効率性」,ファイナンスハンドブック 18章,今野浩・古川浩一監訳,1997,朝倉書店.(原本はJarrow, R. A., Masksimovic, V. and Ziemba W. T. eds.,Handbooks in Operations Ressearch and Mangement Science,vol.9 Finance, Ch18.)
- 上で紹介したHauschとZiembaが,彼らの研究内容を中心に,賭けと市場効率性仮説との関係についてまとめ,ファイナンスハンドブックに執筆したもの. 研究者向け.
- 本:Leighton Vaughan Williams 編, "The Economics of Gambling," Routledge, 2002. ISBN-10: 0415260914, ISBN-13: 978-0415260916.
- ファイナンスとギャンブルに関する研究は,世界的にみると上記のWilliam Ziembaの研究グループとこのLeighton Vaughan Williamsのグループに分かれるように思える.市場効率性を中心にギャンブルの経済学に関する論文を集めたもの.研究者向け.
- 本:Leighton Vaughan Williams 編, "Information Efficiency in Financial and Betting Markets," Cambridge University Press, 2005. ISBN-10: 0521816033, ISBN-13: 978-0521816038.
- 2009年にペーパーバックが出た.市場効率性を中心にギャンブルの経済学に関する論文を集めたものだが,最初のページにLeighton Vaughan Williamsのファイナンスにおける市場の情報効率性についての細かいサーベイがある.予測市場についての論文も1件ある.研究者向け.
- 本:市場と感情の経済学,リチャード・セイラー,篠原勝訳,ダイヤモンド社,(原著はR. Thaler, "The Winner's Curse")
- ゲーム理論,ファイナンス,実験経済学,オークションなどの話題がまとめられた本で,私の興味に近い内容のものが多く書かれている.10章に競馬と宝くじの話があるが,これは上記のZiembaの研究をサーベイしたものでもある.
- web:ポーカー研究
- 確率論やシミュレーションを使ってポーカーを解析する.ポーカー解析ソフトウエアへのリンクや紹介などもある.また,ポーカー解析のページへのリンクなどもある.作成者は...
- web:An Introduction to Game Theory
- ゲーム理論のページでも紹介しているが,国内最大のゲーム理論のサイトと言えるこのサイトは,「確率論」と言うタイトルで,競馬・パチスロ・麻雀などのギャンブルについても考察している.
- web:ギャンブラーのための数学講座
- ナンバーズを中心に身近なギャンブルについて数学的な考察をしている
