ゲーム理論ブックガイドー和書
一般書・ビジネス書
ゲーム理論の考え方をビジネスや日常生活に応用してみたい。教養としてゲーム理論を身につけたい。読み物として面白いゲーム理論の本を知りたい。そんな方に向けてのお薦めの和書をピックアップしてみました。ゲーム理論をきちんと身につけたい、ゲーム理論を研究に役立てたいならば、以下の本だけではなくテキストを用いてください。- 戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する(2002) 梶井厚志(著) 中公新書 \760 ISBN:4121016580
- 一般向けの新書として日常生活やビジネスの現場でのゲーム理論を解説した本。最近注目される「インセンティブ」「コミットメント」「交渉」「シグナリング」「スクリーニング」などのテーマを日常生活の例を用いて平易に説明している。電車の中や寝転んでも読める。読み物として最適である。
- 経営戦略のゲーム理論―交渉・契約・入札の戦略分析(1995) John McMillan (原著)、伊藤 秀史 、林田 修 (翻訳) 有斐閣、 \3600
- 本書はビジネススクールのテキストをもとに出版した本である。「交渉」「契約」「入札」などビジネスの現場での意思決定に、ゲーム理論をどのように用いて考えていけば良いかを説明している。出版された1995年頃に比べ、現在は類書が多く出ているが、それらに比べても本書が色褪せないのは、説明に用いられる数多くの例やケースが、作者が頭の中で作り上げた架空のストーリーではなく、丹念に収集された現実のケースである点であろう。「ビジネス」と言う面以外でゲーム理論を見たい方はやや不満かもしれない。
- 図解雑学ゲーム理論 (2004) 渡辺隆裕(著) ナツメ社 \1470 ISBN:4-8163-3745-8
- 私の著書。一般向けの読み物として終わることなく、実際にゲーム理論を使えるようになることを意識して書いている。詳しい案内はこちらも参考にしてください。勉強の意欲に燃える学生さんや、数学が得意で演繹的な思考を望む方は、この本では物足りなさを感じるかもしれない。
- ゲーム理論トレーニング−あなたの頭を「勝負頭脳」に切り換える(2003)、逢沢明、 かんき出版 \1600 ISBN:4761260785
- ゲーム理論のさまざまな理論と応用を、教養的な話題で読者を引き込ませた後に、簡単で面白い例と豊富な図を用い数値例でゲーム理論的思考を解説する。本書の大きな特長は、読者に一緒に考えさせて、数値例で解を求めトレーニングさせる点である。ゲーム理論的思考を、お話で終わるのではなく、かと言って数式で完全に理解するまでは行かず、まさに「トレーニングして」身につけたいと考える一般読者には、本書が最適であると言えるだろう。また、日常の話題を中心にして、経済学、ビジネス、情報科学などの広い分野のテーマを次々と勉強できるのも良い。
- 戦略的思考とは何か―エール大学式「ゲーム理論」の発想法(1991) Avinash K. Dixit 、Barry J. Nalebuff (著) 菅野 隆、嶋津 祐一 (翻訳)、 TBSブリタニカ、¥3689 ISBN: 448491123X
- 経営戦略のゲーム理論とともに、ビジネススクールのテキストとして定番となりつつあるテキストである。上記2冊とともに数式は使わなず平易な表現でかかれている。経営戦略のゲーム理論がビジネス、梶井氏の本が日常生活と経済の色が強いとすれば、この本は国際政治や貿易などに対する色彩が少し強い。ゲーム理論の本には珍しく縦書きの本。
入門書
読み物や一般教養としてだけではなく、ゲーム理論を学んでみたいと思った人が初めて読むと良い入門書をピックアップしました。ここでゲーム理論が面白いと思うようならば、テキストのページの本で本格的に勉強してみると良いでしょう。「ゲーム理論入門」はゲーム理論を本格的に履修できるテキストと考えられるので、この入門書のページではなく、テキストのページに含めました。
- ゲーム理論で解く(2000)、中山 幹夫、船木 由喜彦、武藤 滋夫 (編)、有斐閣ブックス、\1900、ISBN: 4641086532
- ゲーム理論を使ってどのような問題が解けるのか、12のトピックスをゲーム理論で解説した本。「合併後の組織統合」や「日本企業のコーポレート・ガバナンス」は経済学、「公共財供給」や「1997年韓国通貨危機」は経済学、「投票と選挙」や「政党の分裂と連立政権の形成」は政治学、「社会的慣習」や「社会的ジレンマ」は社会学・経済学・心理学でのトピック。その他に 「オークション」 「破産問題」 「恋愛・就職・結婚」「ランダム性」など、ゲーム理論が社会科学の幅広い分野で用いられていることが分かる。経済学に限らぬ多くの分野でゲーム理論に興味を持った者は、まずこの本の自分に関連する章を読んでゲーム理論の学習をスタートしてみてはどうか。なお、4章の「オークション」は私が執筆していますが、セカンドプライス=オークションの部分が間違ってます、ごめんなさい。。。(涙)。
- はじめてのゲーム理論(1997)、 中山幹夫(著)、 有斐閣ブックス 、 ISBN: 4641085919
- 読み物として平易に読める本だが、ゲーム理論の基本的な概念が「習得」でき、なおかつゲーム理論の簡単な歴史や考え方がわかる本。壮大なゲーム理論のテーマの中で、重要な部分のみテーマを選んで書いてあるためコンパクトな構成になっており、比較的短時間で挫折することなく読める。
テキスト
ゲーム理論の基本を習得し、現実の簡単な問題をゲーム理論でモデル化して解いたり、ゲーム理論の演習問題が解けるようになるための本です。大学でゲーム理論を勉強している人、ゲーム理論を使って実際の問題を分析しようとしている人、研究にゲーム理論を使ってみようと思っている人、ゲーム理論をきちんと習得したい人が読むべき本をまとめてみました。
- ゼミナールゲーム理論入門(2008)、渡辺隆裕(著)、日本経済新聞社、ISBN:4532133467
- 私の著書。文系の学生を対象に、難しい数学を使わなくてもゲーム理論を体系的に包括的に学習できることを目指した。また交渉・オークション・寡占市場の分析・モラルハザードとシグナリングなどの応用例もふんだんに取り入れた。詳しくはこちら。
- ゲーム理論入門 日経文庫―経済学入門シリーズ (2001)、 武藤 滋夫 (著)、日経文庫、\860、ISBN: 4532108292
- 万人向け。分野を問わずにゲーム理論が習得できる標準テキスト。多くのゲーム理論のテキストが、経済学向け(協力ゲームがない)、MBA向け(経営学が対象)であるのに対して、協力ゲームを含めてゲーム理論の基礎的な内容が網羅されている。日経文庫として手軽な値段で入手でき、持ち運んでも勉強できる。何度も何度も読んで勉強しよう。
- 入門「ゲーム理論」 戦略的思考の科学 (2003)、佐々木宏夫(著)、 日本評論社、\2800、ISBN: 4535553122
- 経済学部学生向け。著者が「経済セミナー」に連載していたものをまとめたもの。「入門」と書かれているが、初めてゲーム理論を学ぶ者も1からスタートできると言う意味であり、本の内容は大変厚く、最新の非協力ゲーム理論の多くの結果を包含している。したがってこれを読めば、入門レベルを越え、学部生のレベルでは十分すぎるくらいにゲーム理論を習得できると言える。最近の一般書が、実践重視であり、ゲーム理論が本来持つ数学的な構造の説明−概念の定義や定理と証明(例えば、ナッシュ均衡の存在定理とその証明)−を嫌うのに対し、それらをできるだけ平易に説明しようと試みている。「実践」というよりは、「学問」を目指す初級テキストと言えるだろう。じっくりゲーム理論に取り組みたい初学者にお薦め。なお、経済学部向けを謳っているが、他の分野でも問題なく読める。(渡辺ゼミ2005年度テキスト)
- ミクロ経済学−戦略的アプローチ (2002)、梶井 厚志、松井 彰彦 (著)、日本評論社、\2300、ISBN: 4535552029
- 経済学部学生向け。ミクロ経済学の初級的内容を、ゲーム理論中心に書き直そうとした野心的で興味深い本であり、経済学の入門テキストとしても面白い。また「ミクロ経済学を一度勉強したが、どうも暗記的になってしまった」と言う人には最適!ミクロ経済学が何を目指そうとしているのか、どのように経済学でゲーム理論が応用されているかが、よく理解できる。特に、契約・オークション・インセンティブなど、経済学の中では「情報」というものが、いかに重視されどのように扱われているかが身につく。(渡辺ゼミ2003年度テキスト)
- 入門 ゲーム理論と情報の経済学 (2004)、 神戸伸輔 (著)、日本評論社、ISBN-10: 4535554145
- 経済・経営学部学生向け。前半はゲーム理論、後半は情報の経済学と分けられている. ゲーム理論の部分はコンパクトにまとまっていると共に、ゲームを「競争と協力」の観点で分けたり、交渉や評判の解説に力をいれるなど、他の本にはない観点でゲーム理論の初歩を解説している。近年、ゲーム理論への興味が高まる背景には、「ゲーム理論を用いた組織・交渉・経営戦略・契約の理論を理解したい」というニーズがあるが、そのような分野への進むためには大変良い入門書となっている。(渡辺ゼミ2006年度テキスト)
- 通勤大学MBA〈10〉ゲーム理論 (新書)、 (2003)、グローバルタスクフォース (著)、 総合法令出版、ISBN-10: 4893468057
- ビジネスマン・MBA向け。新書版だが、ビジネスマンやMBAの学生がゲーム理論を学ぶには、馬鹿にできない充実したテキストである。MBAゲーム理論と方向性を同じくしているが、解説も分かりやすくコンパクトにまとまっている。単なるお話に留まらずゲーム理論を習得することができる内容となっており、電車の中でも学べる。
- MBAゲーム理論、(1999)、グロービスマネジメントインスティテュート (編)、鈴木 一功(著)、ダイヤモンド社、\2800、ISBN:447837242X
- ビジネスマン・MBA向け。ビジネスや経営の側面からゲーム理論を習得したい人やMBAには最適のテキスト。ビジネスや経営の側面からゲーム理論を習得したい時は、この本と経営戦略のゲーム理論を合わせて読むと良い。企業戦略に関連した具体例から入り、難しい数式は使わず、数値例やきれいに描かれた図で理解させようとするところはさすがで、ビジネス思考にどのようにゲーム理論が使えるかが分かる。このような数値例によるトレーニングは、一般書で紹介した「ゲーム理論トレーニング」も用いているが「数式には抵抗感があるが数値例なら何とか」という、MBAや文系の読者には最適なトレーニング法である。ゲーム理論トレーニングの扱う話題が一般的なのに対し、こちらはビジネスにターゲットが絞られている。(渡辺ゼミ2004年度テキスト)
- 経済学のためのゲーム理論入門 (1995)、ロバート ギボンズ(著)、福岡正夫・須田伸一訳、 創文社、\3200、442385080
- Robert Gibbons "Game Theory for Applied Economists"の翻訳。1990年代後半に、日本の経済学部でゲーム理論をきちんと習得しようとした学生の多くは、この本をテキストにしたのではないだろうか。経済学への応用例が多く、現在においても経済学部でゲーム理論を習得したいので、あれば見劣りしないテキストである。近年の経済学のある分野(産業組織論、国際貿易論、公共経済学など)では、盛んにゲーム理論が使われているが、このような分野の本や論文を読破するためにゲーム理論を勉強したいと言う人は、やはりこの本が最適だろう。ここまで挙げてきた本に比べ、図などが少なく、式が少し多く、更にフォントが昔風(?)なため、やや硬派なテキストに見える. 難易度は、上記テキストよりやや高い。ゲーム理論をしっかり学んでみたい方や、ゲーム理論を用いた研究を目指す人の第一歩に良い本。
- 演習ゲーム理論 演習新経済学ライブラリ (2004) 船木 由喜彦 (著) 新世社 ISBN: 4883840727
- ゲーム理論を身につけるためには演習が不可欠であるが、世界的にみてもゲーム理論の問題集は存在しない。(20年くらい昔Moulinが作っているが、廃刊になっている)。たいへん画期的な本である。各章のはじめには、演習問題に入る前に、それを解くための定義や定義が簡単にまとめられているが、これがまた素晴らしく、簡単なハンドブック・参考書としても使える。ゲーム理論を本気で勉強したいならテキストに加えて、ぜひ1冊揃えておきたい本だ。
上級テキスト
ゲーム理論の研究者になりたい。もしくは、経済学をはじめとする各学問分野で、ゲーム理論を中心とした数理的な論文を書きたい。このような人に向けての本を紹介してみました。このような研究者を目指すならば和書にとどまらず、洋書の良いテキストを読むことも必要です。
- ゲーム理論 (1996)、岡田章著、有斐閣、 \4600 ISBN:4641067945
- ゲーム理論の正統派テキスト。世界的にも高水準と呼べるテキストである。ゲーム理論の研究者を目指すなら、かならず読んでおくべき本だ。
近年、一般の読者向けに、数式を用いず分かりやすく解説したゲーム理論のテキストがたくさん発売されている。従来難しいと敬遠されてきたゲーム理論を、多くの人に広く普及するには良い傾向である。しかし、ゲーム理論は数学という厳密で論理的な言語によって記述され、理論が構築されている。ゲーム理論の研究者となるためには、本書のようなテキストを用いて数式で正確に定義された諸概念を理解し、基本的な定理とその証明を学ぶことが必要である。
一般の読者向けの本が多く出版される中で、このような数学的な研究者向けテキストは近年は少ない。むしろ10年前までの方が良書が多いが、このような本に近年の結果は盛り込まれていない。ゲーム理論の内容は、現在は広範囲に渡っており、そのすべてをカバーすることは困難であるけれども、本書はその中でも近年の非協力ゲームの基本的な内容を包含し、協力ゲームや期待効用理論の結果も含んでいる。経済学だけではなく、すべての分野で使える総合的なゲーム理論の研究者向けテキストである。概念はすべて数学で厳密に定義され、定理と証明によって結果が示され、その含意が説明されている。
このような良書を執筆した著者の精力的な取組みに敬意を示すと共に、このような学術的な良書を生み出す出版社にも感謝したい。このような試みを応援するために、専門家だけではなく、関連分野や応用分野の方も、ぜひ購入をお願いしたい一冊である。
標準形ゲームの(摂動)完全均衡点の存在、フォーク定理、無限の交互提案ゲームの解が割引因子を1に近づけるとナッシュの交渉解に収束すること、。。。あなたはきちんと証明できますか? - 新ゲーム理論(1994), 鈴木光男(著) 勁草書房 \4944 ISBN:4326500824
- 著者の鈴木光男氏は、フォン・ノイマンとともにゲーム理論の創始者の1人であるモルゲンシュテルンのもとで学び、1960年代から長く日本のゲーム理論をリードして来られた方である。本書は、その鈴木先生の研究の集大成とも言える本で、非協力ゲーム・協力ゲーム・ゲーム理論の役割と歴史の3章から構成されている。非協力ゲームの章は、近年急速に発展した理論の内容に比べてやや物足りない。しかし、本書を上級向けテキストとして挙げた理由は、協力ゲームの章の充実度である。特に、80年代より発展した協力ゲームの公理化についての記述は素晴らしく、世界的にも高水準にあるテキストだ。協力ゲームの研究をしたい方には、お薦めしたい。
専門書
契約・組織・貿易・交渉・モラルハザードと逆選択などの経営や経済に関係する領域で、ゲーム理論や情報の経済学を中心とした理論を学んでみたい方にお勧めの専門書です。
- インセンティブの経済学(2003)、清水 克俊・堀内 昭義(著)、有斐閣、 ISBN-10: 4641161917
- 前半では「隠された情報:逆選択」「隠された行動:モラルハザード」などを中心に、逆選択やモラルハザードの理論、インセンティブ契約や交渉の基本的な話題を扱う。後半では所有権と不完備契約など、法と経済学の分野で興味を持たれている最新のトピックについて解説している。理論への理解を深めるには「本を読んで分かった」だけではダメで、演習問題を解いて理解を確認することが必要不可欠であるが、本書は演習問題が多くあり、理解をするには大変良い本である(ただし解答には誤りが多いので注意). (渡辺ゼミ2005年度後期テキスト)
- 経営の経済学 (2005)、丸山雅祥(著)、有斐閣、ISBN-10: 4641162409
- ゲーム理論やミクロ経済学をベースとした経営戦略論や経営組織論を理解するために必要な基礎を学ぶためのテキスト。日本のミクロ経済学のテキストは、(経済政策を目的とした)経済学か、もしくは経済理論を学ぶために作られており、このような経営理論に繋げるためのテキストは存在していなかった。Managirial Economicsと呼ばれる分野の日本語のテキストと考えてよいだろう。膨大な分野をコンパクトにまとめたため、ゲーム理論やミクロ経済学などのテキストを読んだ後に手にした方がより理解が進む。(ビジネススクール渡辺ゼミ2007年春季購読会のテキスト)
- 新しい産業組織論:理論・実証・政策 (2001)、小田切宏之(著)、有斐閣、 ISBN-10: 4641161275
- 産業組織論はゲーム理論が華々しく応用されている分野である。本書は、そのような産業組織論における基本的な理論を解説し、さらに実証分析も織り交ぜて解説を行っている。産業組織論を政策担当者側からではなく、経営者側から見れば競争戦略に関する理論になっているので、ゲーム理論に基づいた競争戦略論などに興味を持つ者も必見である。独占・寡占の数量競争、価格競争の基礎を知ると共に、特許と研究開発、広告、製品差別化、カルテルなどに関する基本的な理論を学ぶことができる(2004年度渡辺ゼミ大学院ゼミのテキスト)
- 戦略的貿易政策―ゲーム理論の政策への応用(1998)、柳川 範之(著)、有斐閣、 ISBN-10: 4641160511
- ゲーム理論を用いた戦略的貿易政策の専門書であるが、ゲーム理論のテキスト自体としてもお勧めである。経済学では、利得行列やゲームの木による標準的なゲーム理論のテキストに載っている理論よりも、クールノー競争やベルトラン競争などの複占・寡占市場のモデルを分析に用いることが多い。複占市場に限定したゲーム理論を分かりやすくコンパクトに理解するためには、上記の「新しい産業組織論」とこの本が良い。
囚人のジレンマ
囚人のジレンマ、共有地の悲劇、社会的ジレンマetc。。。この名前で呼ばれる問題は、80年代から90年代にかけてのゲーム理論の最も大きな課題の1つであり、その研究成果は社会科学の発展に大きな貢献をしたと考えられるでしょう。囚人のジレンマに関する本は数多くかかれており、多くのゲーム理論の本もこの問題に必ず触れています。また、ゲーム理論すべてを学ぶつもりはないが、囚人のジレンマに対してのみ勉強したいという方も多いようです。
そこで囚人のジレンマに関する本だけ、別に集めてみました。
- 囚人のジレンマ−−フォンノイマンとゲームの理論 (1995)、ウィリアム・パウンドストーン(著)、松浦俊輔(訳)、青土社、\2600、ISBN:4791753607.
- まさに「囚人のジレンマ」をタイトルにした本だが、それのみではなく、ゲーム理論の歴史と逸話に、ゲーム理論の初歩的な考え方を絡めた読み物である。ゲーム理論とは何かを知る入門書としても面白い。囚人のジレンマの誕生や囚人のジレンマに関する多くの研究について知ることができる。キューバ危機ではノイマン自身が原子力安全委員会の委員長として、ソ連とアメリカの囚人のジレンマにどう対応したかなどが興味深く記されている。原著はW. Poundstone、 Prisonaer's Dillemma (1992)、Doubleday。Tit for Tat戦略の訳はオウム返し戦略。
- つきあい方の科学―バクテリアから国際関係まで (1984)、R. アクセルロッド (著)、Robert Axelrod (原著)、松田 裕之 (翻訳)、Minerva21世紀ライブラリー(ミネルヴァ書房)、\2600.、ISBN:4623029239。
- 「囚人のジレンマ」の研究の中で、もっとも有名で、もっとも影響が強く、もっとも分かりやすいのは、ロバート・アクセエルロッドのコンピュータプログラムどうしのトーナメントによる実験であろう。この本は、その詳細をな結果や経緯をもとに、囚人のジレンマ研究のビジネスへの応用が解かれている。「囚人のジレンマ」の研究において、必読の本。
- 信頼の構造−−こころと社会の進化ゲーム (1998)、山岸敏男(著)、東京大学出版会、\3200、ISBN:413011086
- 社会心理学の立場から、実験やゲーム理論の成果などをふまえて、囚人のジレンマや社会的ジレンマがどのように起こり、どのように解決されるかの要因を探り、分かりやすく解説した本。馴れ合いや安易な集団主義に警告を発し、真の信頼関係を築くために何が必要なのかを語る。これからの日本がどうあるべきかを示唆すると共に、実験経済学などの方面を踏まえて、これからのゲーム理論がどのように進むべきかも考えさせられる本だ。
- 社会的ジレンマ−−環境破壊からいじめまで(2000)、山岸敏男(著)、PHP新書、\660、ISBN:4569611745
- 前述の本が、社会的ジレンマ研究のサーベイや実験経過などを理論的に解説する研究者向けの本であるのに対して、同著者のこの本は、社会的ジレンマとその解決を一般向けに解説した本である。
- 対立と協調の科学−エージェント・ベース・モデルによる複雑系の解明 (2003)、ロバート・アクセルロッド (著)、寺野 隆雄 (翻訳)、ダイヤモンド社、\3800、ISBN:447819047X
- ロバート・アクセルロッド最新刊
